こんにちは!
秋が深まってくる今日この頃、三連休の中日に、百名山の「大菩薩嶺」に登ってきました。
ルートは、一番簡単な「JR甲斐大和駅(電車)〜上日川峠(バス)〜登山口〜山頂」というコースを選びました。
登山口からは1.5時間くらいで山頂まで行けるそうで、ずいぶんお手軽な百名山だな、と。
この朝の時点では、まさか同日夕方に、遭難の一歩手前の状況になるとは想像しておらず、お気楽気分です。
朝6時頃。京王線高尾駅からJR高尾駅へ乗り換え
甲斐大和駅で乗るバスはこんな感じです。
駅前に止まっているので、乗り場は分かりやすいです。
このバス、事前に調べると始発が8:10のはずが、7:50くらいに出発してました。
自分が乗った電車時刻の関係で、甲斐大和駅には7:40くらいに着いていたので、ラッキーな誤算でしたね。この時期、増発しているのかもしれません。
バス代、若干値上がりしており、1,020円です(事前の調べでは、1,000円でした)。
途中、道が若干崩れている箇所があり、バスから降りて歩きました。
(乗客全員を乗せて通ると重みで崩落の危険性?)
川沿いを走るので、紅葉含めて景色がキレイです。
40分ほど揺られて、登山口へ。
登山スタート!ストレッチやお手洗い等済ませ、時刻は8:40くらいでした。
20分ほど歩くと、目印の「福ちゃん荘」へ
この福ちゃん荘までもそうですが、ここから山頂までも、実に歩きやすい、なにも難所がないコースでした。
途中、富士山がそれはそれは立派に見えます。曇り/雨の予報でしたが、この富士が見られたのは、実にラッキーでした。
そびえ立つという表現がしっくりきます。
無事に大菩薩嶺に到着!
本当にお手軽でオススメです。
私、恥ずかしながら「大菩薩嶺」と「大菩薩峠」は同じものだと思ってまして。呼び名が違うだけだと。しかし、れっきとした別の峰というか、場所です。大菩薩峠へは、大菩薩嶺から30分ほど歩きます。
こんな感じの素晴らしいルートです。
山荘も見えます。
南アルプスの連邦が見えます。
ここから見える峰々はこんな感じです。
無事、大菩薩峠に到着!
さて、ここから別ルートで30分ほど歩くと、元の出発地に近い福ちゃん荘へ戻れるのですが、なんとなくもう少し歩きたくなり、少しだけ足をのばして縦走することに。
石丸峠へ。大菩薩峠にくっついている「介山荘」の後ろの道です。
もちろん、あの小説「大菩薩峠」の中里介山から取られている名前です。
登って下りてが続きます。
登山口〜大菩薩嶺〜大菩薩峠は、そこそこ混んでいましたが、そこを出外れると一気に人が減ります。
天気も良く、サクサク歩きます。
「曇りてもよし、富士の山」な感じです。
富士山がキレイに見える「富嶽十二景」を縦走するコースで、富士山好きにオススメです。
どんどんピークハントしていきます。
この時はまだ余裕がありました。13時〜14時頃です。
標識もたくさん出ていて、まず迷いません。
この縦走コース、甲州アルプスと言うんだそうで、たくさんのエスケープルートがあります。いつ車道に続く道へ下りようか、と迷っているうちに、だいぶ距離も稼げました。実は、このコースの先には、滝子山、そしてJRの初狩駅への道がひらけています。
かなりの距離(約25km)ですが、初狩駅に下りられたら、帰りのバス代も浮きますし、2駅分東京に近いので、電車賃も若干浮きます。
しかし、今のペースだと、滝子山に着けるのが、せいぜい4時過ぎ。今の季節、5時には暗くなるので、滝子山から下山している間に暗くなることが予想されます。しかも、最後は樹林帯が続くので、光が遮られるはず。
迷いつつも、最後のエスケープルートまでは、とりあえず滝子山を目指して歩くことに。この時点で、若干ペースをあげました。
そんな折り、富士山が隠れ出しました。
雨が降らなかったのが幸い。
ときどき、富士山は思い出したようにまたその姿を見せてくれます。
まだ明るいので、気持ちはわりと気楽でした。
「腐海の胞子が、こんなところにまで・・・」
気持ちにも余裕があります。
シカ避けの柵。数カ所ありました。
まずまずのペース。
ここまでくれば、もう滝子山を目指すしかない!!
さらにペースを上げました。
紅葉も少し見られました。
よし!滝子山の標識が出てきた!
なんでここだけ「ハマイバ」なんてカタカナ?
こんな漢字だったんかい!物々しい。
大谷ケ丸。滝子山への分岐はここよりちょっと手前に戻ります。
「山と高原地図」を持って行ったのですが、きちんとそれが書いてあり、助かりました。
しかし!ここから滝子山までが、実にクセものでした。
まずは地図を見てください。「大谷ケ丸〜滝子山」。
踏み跡薄い。なんて書いてありますが、とてもそんなレベルじゃないです。
今年の秋に続いた大雨と台風の影響でしょうか。
落ち葉も降り積もって、ほとんど道が見えません。
立ち止まって、四方を見渡しても、道も目印も何もないような状況が数回発生しました。
それらしき道を歩いて、5分が過ぎても標識や明らかなルートが出てこなければ、迷わず戻りました。
周りには誰もいません。この時、けっこう焦りました。
どうやら、崖沿いに歩くのが正解のよう。
こんな感じの道が続きます。実は目印があるの、分かります?
すっかり色褪せて、コレ。
やっとの思いで、ルートを見つけて滝子山に近づきます。
でも、20分は時間をロスしました。
顔もこわばってます。
大菩薩から、滝子山まで必死に来てるんだと、主張せずにはいられない、ソロ登山。
なんだかんだで、滝子山のピークに来れたのは4時35分。
ここから急いで下りなければ!!!
富士山がひょっこり頭を出してくれました。
見守っててくれ!!
痛む左足の膝をかばいながらも、転げ落ちるように下山します。
「あ〜!暗くなって来た!」
檜平で5時5分。
ここから1時間というところでしょうか。
・・・暗くなり始めました。
・・・やばい。空の明かりが届かない。
・・・日が沈む。。。
・・・とうとう真っ暗。
当初はこんな縦走をするつもりじゃなかったので、あろうことか、ヘッドライトを持ってきていませんでした。頼りはiPhoneのライトのみ。
標識すらも、ビビリの対象。
とにかく、ちょっとした物音や、造作物に、ビビリまくる夜の登山。
経験、知識、体力、運のどれかひとつでも足りていなかったら、本当に遭難していたと思います。滝子山は、3回以上登っており、頭の中にぼんやりルートを描けていたので、なんとか道を間違わずに済みました。
一番迷いそうだったのは、小川が登山道を横切っている(ちょっとだけ道が途切れる)箇所。昼間ならどうってことない小さな小さな「途切れ」ですが、夜だとその先が見えないものですから、道を簡単に見失います。
もし昼間のルートを知ってなかったら、完全にロスト、遭難でした。
この時点で、食料はゼロ。水は50ml以下でした。
真っ暗な道を1時間以上歩いて、なんとか登山口へ到着。
ここから初狩駅へは、さらに40分ほど舗装された道を歩きます。
初狩駅前に着いたのは、6時半。駅前のローソンで、ビールとカップヌードルとおにぎりを買って、命を噛み締めながら、味わい、生還を祝いました。
過信は禁物。山は怖い。無理はダメ。などなど、十分に知っていたつもりでしたが、今回は本当に危険を感じました。死を意識しました。
これから寒くなってきます。みなさんも、どうぞ、気をつけてください。